偽造被害は日米欧合計で年間3000億円に達する。そうなると偽造防止技術を何とかしようとみんな思うわけで、庵主も独自の anti-counterfeiting technology 「ステルスナノビーコン

汎用性のある偽造防止印刷技術に特殊インクがある。ステルスナノビーコンほど低コスト・高セキュリティではないが、バランスが良く既に多用されている。
原理はおそらくは
・特定波長の光を吸収するか発光するインク
・屈折率ないしは反射率(同じことだが)が基材と著しく異なる顔料
くらいだろう。これら特殊インク、特殊顔料をあるパターンで印刷しておけば、コピー機、スキャナーにかけたときに潜像がくっきり現れる。
Fig.01は公文書をスキャナーで取り込んだ画像。くっきりと複写の文字が現れている。Fig.02はコピー機メーカーが出しているiOSのアプリで取り込んだ画像。見やすいようにコントラスト調整したが、うっすらと潜像が現れている。
コピー機で明瞭にでる潜像が、iOS機だとやや不明瞭になるのは、光量の大小によると思われた。たしかにiOS機で撮像するさいにフラッシュのありなしではフラッシュありの場合がより潜像が明瞭に観察された。
この原理なら破るのは難しくない。光の吸収・発光が起きないように波長をカットし、屈折率の差を弱めるフィルターを被写体に被せれば良い。すると吸収・発光・反射が生じにくくなるので、潜像が出現しないはずだ。
手持ちの器材で試したのがFig.03。潜像は現れなかった。画像をフォトショで加工すれば、完全な複製に近づくと期待される。このように「目に見える」偽造防止技術は破られるのだ。

偽造防止印刷された公文書を偽造してみたw
まあ、公文書に使われる偽造防止印刷技術の目的は、あくまでも複製の濫用防止である。つまり、複製の不正使用の抑止には、あえて目に見えたほうが効果的。この点、商品の偽造・複製の防止とはカテゴリーが異なる。
ただし命を預かる医薬品や、イメージを尊重するブランド品では偽造被害はしゃれにならない。そしてこのカテゴリーの商品が偽造品製造者に狙い撃ちされている。しかしながら従来の偽造防止技術は目視・顕微鏡で見える技術がほとんどであった。目で確認する対策はすぐにリバースエンジニアリングされ、その原理が見抜かれてしまう。原理が判明すれば上述のように複製するのは容易である。
目で見えない・原理がわかっても暗号鍵が多元的、という決定的に模倣を不可能にするステルスナノビーコン

私自身一番偽造で難しいのは、紙幣だと思います。
紙幣はもう少しひねった内容が入っています。
あ私、鑑別の仕様知っている人間なんでここまでです^^;