此処より下に家を建てるな

震災のご関係者の哀しみとこれからのご苦労を思うとやるせない。
この国に生きる以上は、明日は我が身と思うしかない、同情でもなく憐憫でもなく。

高き住居は児孫の和楽、想へ惨禍の大津浪、此処より下に家を建てるな
昭和8年大津浪記念碑文 岩手県宮古市重茂姉吉
資料:群馬大学津波ライブラリーからhttp://tsunami.dbms.cs.gunma-u.ac.jp/TSUNAMI/JAVASCRIPT/iwate/miyako.htmlLink

21日になってあちこちにこの碑文が引用されている。彼の地域で記録に残る津波災害は貞観の時代に遡るそうだ。
東北大学の菅原らの報告「地層に残る津波の証拠 ―仙台平野を襲った平安時代の津波―」によれば、津波堆積物という地質学的根拠も見つかっているとのこと。
http://www.science-day.com/2009/conference/abstract/2-2.phpLink

先人の警告が活かされなかったわけであるが、先人の警告を活かそうとした長年の努力にもかかわらず、被害を防ぎきれなかった。この事態は我が国土に暮らす民草のひとりびとりが考える必要がある。

日本は、プレートの境目にできた一過性の島なのだから、山川草木すべて荒ぶる神がこの狭い国土にひしめいているようなものだ。
三陸海岸の南部はリアス式海岸線として有名である。リアス式海岸とは沈降海岸であると明記されている。

歴史書に記録された1000年前から、約100年ごとに地震と津波とが襲うことが知られている。プレートテクトニクスからは、徐々に太平洋に引きずり込まれている土地である。相手が地球なのだから、これを何とかしようというのは間違っている。
ましてや、さらにナイーブな原子力発電所を、何でそんな海岸に建てたのだろう。誰だ?責任者出てこい!

思うに、住み処や公共施設は、大津浪記念碑よりも高台に建築し、海辺は漁師小屋か海産物工場程度のみに制限する、といった政策はできなかったのだろうか。
防潮堤と、浜辺と高台の住宅地は斜行エレベーターで結べば良いだろう。

庵主の生まれは信州伊那谷である。かって天龍川が氾濫した36水害というものをこの眼で見ている。伊那谷は天龍川の作る河岸段丘で有名なのだが、学校の一つ下の段丘まで水が来たのである。先生に引率されてクラスで見に行ったことを覚えている。この記憶があるものだから、大きな河の側では、旧国鉄の線路よりも山側に住むよう心懸けている。我が故郷では、浸水の到達点に並行して、その一段上に国鉄の線路が走っていたからであった。

今では天龍川にも立派な堤防ができた。そして昔の氾濫原も開墾され、畑や田んぼばかりでなく住宅地もできるようになった。
でも、これは、荒ぶる神と共存する賢いやり方とは思えない。
今回の大震災でも偉い方々は口々に想定外と言われた。しかし、前述の歴史的、地質学的証拠がある以上、専門家ならば十分予測し対策すべきであった。

いろいろな事情があったのであろうが、目先の利益など一度震災が来ればすべてふっとぶ。自分の代に何事もなければよいという慢心はなかったか。考えをあらためることから始めるべきではないか?

— posted by bemybaby at 04:20 pm   commentComment [1]  pingTrackBack [0]

この記事に対するコメント・トラックバック [1件]

Owner Comment bemybaby  2011/06/01@13:31:22

被害者のために調べ物をされておられたという方から、非公開コメントでお褒めをいただきました。
確かに昔の教訓は活かされていたわけですね。ご報告ありがとうございます。

実際の状況は多様なはずで、その中から共通の因子を探りだすプロセスを欠いたままコメントすることはできません。十把一絡げにレッテルを貼りたがるマスゴミや評論家はまだしもフィルタリングできますが、現場を見ない為政者ほど恐ろしく厄介なものはありません。

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